和カフェで働く彼からのバレンタイン 作:星神蒼衣

いらっしゃいませ、空いているお席へ…

って、どうして君がここに…?

俺、バイトしてる店教えたことあったっけ

あぁ、俺の友達から聞いたんだね。納得

別に隠してたわけじゃないんだけど、恥ずかしくてさ

とりあえず、席の方に案内するね

 

 はい、これがメニューで、今はバレンタインスイーツも置いてるから面白いと思うよ

...え?俺のおすすめ?

んー、ちょっと高いけど、パフェかなぁ?

この店の一番人気だよ。常連さんも良く頼んでくれるんだ

でもちょっと多いからこの近くにある学校の女の子たちは何人かでシェアして食べてたりするかな

あ...ごめん、君が居るのに別の女の子の話されたらいい気分じゃないよね

うん、お詫びってわけじゃないけど、飛び切り心を込めて美味しく作るよ

っはは、満足させなかったら許さないなんて、怖いなぁ...

まぁ、楽しみにしててよ

 

 

お客様、お待たせいたしました。当店自慢の、和風抹茶パフェでございます

なんて、気取って言っちゃったね。どうぞ、召し上がれ

...戻らなくていいのかって?実は、マスターに君のことを言ったら今日くらい一緒に居てやれって言われてさ、追い出されちゃった。

お客さんも少なかったし、大丈夫だってさ

っていうわけで、一緒に食べよ?



...ん、急に固まったけど、どうかした?

あぁ、このパフェに刺さってるやつ?普通は最中だよ。だってここは和カフェだし、マスターのこだわりが強いからね 

そ、このパフェは君の分だけは特別にマカロンにさせてもらったんだ

さっきも言ったでしょ?今日はバレンタインだって

男から女に渡すのが本来の形なんだし、俺から君に渡したって良いでしょ?

ふふ、ハッピーバレンタイン

 

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